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2019年11月、シティトゥシティアジア太平洋主催のリーダーカンファレンスで伝道ネットワーク(The Evangelism Network:略称はTEN)のクレイグ・エリス氏は次の三つの点を考慮した効果的伝道について話をされました。
語るメッセージは内容と形式が聞き手に分かりやすい文脈化されたものであること。
伝道とは一回だけの話で終わるのではなく、時間をかけて何度も粘り強く関わって話していくこと。
伝道は祈りに根ざして御霊に依り頼むこと。
コロナ・ウィルス前のセミナーでしたが、核心の部分は何も変わっていません。未信者の友人との関わり方は今では多くの場合オンラインになっているかもしれませんが、引く続き粘り強く関係を築いていくことは同じです。オンラインによる日曜礼拝が未信者の方々を引き寄せ、ズーム回線によるディスカッショングループや教会生活へ導いています。エリス氏のテキスト・メッセージ(次のセクションで記載されている)はコロナ・ウィルスの影響下にあっても極めて有効であると思います。
エリス氏が受講していたクラスで、一人の人に五つの質問をインタビューするという宿題が出されました。ところが不注意にもそのことを忘れていた彼は宿題提出日の数日前にメールで五つの質問を数人の人たちに送りました。一人だけですと回答が得られないかもしれないと思ったからです。驚いたことに、メールを送った複数の方々から回答が寄せられたのです。エリス氏が送ったメッセージは次のようなものでした。
テキスト・メッセージ:
私(エリス)は今クラスを受講しています。授業で、自分の信条と必ずしも同じでない人にインタビューをして、その人の意見を聞くという宿題が与えられました。通常、教会は聞くよりも話すことの方が多い
傾向にあります。私に課せられた宿題は、信仰と宗教について質問し、その答えを記録し、クラスで匿名ですがその答えを分かち合うことです。よろしければ、次の質問にお答え願えますか。
今日、世界が直面している最も大きな問題は何だと思いますか?その問題への解決法は何でしょうか?
神が存在するかしないかを知ることができると思いますか?なぜ知れるのか?なぜ知れないのか?
ある行為が正しいか間違っているかをあなたはどのように判断しますか?
キリスト教の何に魅力を感じますか?
キリスト教について受け入れ難い、あるいは嫌だと思うことは何ですか?
回答に不明な点がある場合、再度お尋ねするかもしれません。クラスの目的は人の話に耳を傾けその人の考えを聞くことです。そうすることで、自分が思っているほど実際に自分が良い聞き手であるかどうかを学ぶことができるからです。
昨年11月エリス氏のクラスに出席していた時、私は日本にいるクリスチャンでない四人の友人に同じテキスト・メッセージを送ろうと思いました。三人は20年以上日本に住んでいる外国人で、一人は日本人の友人です。
私は、これはエリス氏からの宿題と捉えて、セミナーが終わるまでに回答を寄せてもらえないかと友人にテキスト・メッセージを送りました。直ぐに三人の外国の友人から回答が来ました。その内の一人は英国から日本に来ていた知り合いにこの質問を見せて、その知り合いも答えてくれました。日本人の友人は考える時間がないからという理由で回答しませんでした。しかし、全部で四人からの回答が研修会の期間中に届きました。
私は回答を受け取ってワクワクしました。というのも友人の考えを知ることができ、これから彼女たちと話をしてゆく上での土台が築かれたと思えたからです。
4番目の質問に対する回答から、キリスト教についてかなり魅力的あるいは注目すべき思いや考えを知ることができました。
建築物の美しさ(大聖堂や教会の建物)
歴史認識
平安な気持ち
地域共同体内の社会的絆
クリスチャンは一般的に他の人に較べて幸せである。
クリスチャンは死に対する恐れが少ない。
隣人を愛することや他人のケアを強調する。
赦しを強調する。
私たちの日々の生活そしてその在り方が自分では見ることのできない形で人々に語りかけています。そしてキリスト教の歴史は概ね肯定的に捉えられているようです。
他方、5番目の質問に対する回答は次に記してありますが、全体的にキリスト教への反対意見は少なかったです。
戦争の前に神に祈ること
ファンダメンタルなキリスト教。これを嫌がった回答者は「聖書をよく知らない。」と書いていた。
男性を女性の上に置いている。
キリスト教を他の宗教の上に置いている。
旧約聖書の文字通りの解釈、特に創造に関しての解釈
私は夫にも未信者の友人に同じような文面でメールを送るよう勧めました。彼は少しばかり躊躇しましたが、五つの質問を翻訳して、五人の男女、年齢は30代から70代の方々にメールで送信しました。このやり方は日本人には直裁的であったかもしれませんが、宿題ということで受け手の人たちには理解してもらえました。
五人の内四人から回答がありました。一人の方は質問があまりにも個人的かつ検討を要することなので回答されませんでした。この返答には少々驚かされ、主人は相手を傷つけたのではないかと心配していました。尚、この件については後で後日談としてお話しします。
日本人の方からの回答も同じように5番目の質問よりも4番目の質問への回答が多くありました。
質問5のキリスト教への否定的な思いや考えについては、
ダビデ王の系図など何ら自分には関係がない。どうでもいい。古事記にも旧約聖書に似た神話がたくさん書かれてある。自分はもっと日本精神の歴史を知る必要がある。
十字軍や北アイルランドなどの宗教戦争によって多くの人が命を失っている。
明治時代にはかなり多くのクリスチャンがいた。その人たちがどのように生きたかに興味がある。
質問4の「キリスト教の何に魅力を感じますか?」に対して、
イエスの教えを聞く時、何かしらの心の平安が得られる。
詩篇は素晴らしい。聖書を学ぶことに喜びを感じている。
マザーテレサのように信仰者には強さがある。そして積極的に人々に手を差し延べる。
2000年以上に渡って様々な文化そして国々で信仰が保たれていることは驚きである!
キリストの教えには普遍性がある。
クリスチャンは多くの人を助けようとする。
クリスチャンは多くの人の心を支える。
こういった回答を読んで、どうして日本人の未信者がキリストの教えについて知識があるのか訝っておられるかもしれません。
実は、四人の回答者の内二人は我が家での月毎の聖書の学び会に3年間通っています。学び会には他に五人の信者の方々も参加しています。参加者は50代から70代、大学の元教授、企業のCEO、学校の教務部関係者、医師の方々、そして私たち宣教に携わる者も入っています。
3年間、聖書の学びを続けていますが、夫も私も3名の未信者の人たちの信仰がどの辺に位置しているのかよく分かりませんでした。2019年の年末の時点では、毎月一回神戸や東京そして長野からわざわざ来てもらって継続すべきかどうか正直迷っていました。
「神を知ることは可能と思いますか?」という質問に対して聖書の学びに参加している未信者の二人は、「神の存在を知ることはできない。」「できるとは思わない。」と否定的な回答を寄せていました。それに加え、聖書の学びに参加している3人目の未信者の方は回答を拒否されました。それで迷っていた私たちは聖書の学びも年末には終焉を迎えるかもしれないと思うようになっていました。
そしたら思いもかけず、回答を拒否された方からクリスマスのお便りがインターネットで参加者全員に送られて来たのです。そこに書かれていたことはある意味私たちがメールで送った質問への回答でもありました。お便りは次のように書いてありました。
今年も振り返りますと昨年同様厳しい年でした。しかし、皆様のおかげで自分はすでに救われているのではないかといった感覚があります。その感覚が少しずつ私の心に染み込んでいます。メリークリスマスそして新年明けましておめでとうございます。
アウトリーチの全く新しい方法を試してみて、今は、感謝しています。それは私たちの励ましになりましたし、インターネットを通して未信者の友人と関わりが持てる希望にもなりました。
私たちが行ったクレイグ・エリス氏からの宿題を皆さんにもしてもらいたいと思います。未信者の友だちに五つの質問を投げかけてください。質問に対する回答に驚き、きっと多くのことを学ぶことでしょう。
著者
1江崎マーシャ(BS Purdue大学;M.Ed TCNJ大学)、共著でサイモン・シュースター社から6冊の料理本を出版、1993年日本に来るまで新聞や雑誌に料理に関する多くの記事を執筆した。22年間妻として牧会者の夫(公二)を支えつつ、名古屋国際学園で10年間保健の教師、ヘルスオフィスのマネージャーとして勤める。2015年、夫と大阪に移動。現在はマスタードシードクリスチャン教会大阪の宣教に協力している。二人の娘と孫が一人。
INTERNET OUTREACH IN JAPAN
Craig Ellis, of The Evangelism Network (TEN), gave a presentation on effective evangelism to CitytoCity Asia Pacific, in November 2019 claiming that effective evangelism includes three characteristics:
The message is appropriate to the context of the hearer, both in content and in form
It is faithful and persistent over time
It is rooted in prayer and dependent upon the Holy Spirit
That was before social distancing, but the characteristics don’t change. It just means that we are looking for new ways to keep up a faithful and persistent presence with our non-believing friends, but mostly online. We have seen how online sermons have drawn non-believers into Zoom discussion groups and introduced them to church life. Craig described a text message that he had used that could be very effective for us in these Covid19 times.
He was taking a class and he had an assignment that challenged him to ask one person a set of five questions. He inadvertently forgot about the assignment and with the due date just days away he ended up sending the set of questions to many more people, just hoping to get one response. He was pleasantly surprised at how many answered. Here is what they received from him.
Text Message:
I'm taking a class and I have an assignment to interview someone who doesn't share my beliefs and then just listen. The point is that the church tends to be much better at talking than listening. I am supposed to ask someone the following questions about faith and religion, record the answers, and then share them (anonymously) with the class:
What do you think is the biggest problem facing the world and what can be done?
Do you think it is possible to know if there is a God? Why or why not?
How do you determine whether an action is right or wrong?
What if anything, do you find most attractive or compelling about Christianity?
What are your biggest objections to—or what is most implausible about Christianity?
I may ask follow-up questions for clarification but the purpose is just to listen to people and hear what they think. Essentially, it will help me learn whether I am as good a listener as I thought I was.
Back in November during the CitytoCity Asia Pacific seminar, I decided to send the same text message to four of my non-Christian friends in Japan: Three foreign residents, who had lived in Japan for over 20 years, and one Japanese.
I sent the message right after I listened to Craig’s presentation. I considered it an assignment from him and I gave them two days to answer before the end of the seminar. The three foreign friends responded promptly, and one of them also had a friend visiting from the UK and she wanted to participate too. My Japanese friend said that she didn’t have enough time to think and respond within the two days, but after sending out four queries, I had four sets of answers.
I was thrilled to get any answers because they gave me insight into my friends’ thinking and a platform for later discussions.
Question 4 produced a long list of attractive or compelling qualities about Christianity. They were:
Beauty of the architecture (cathedrals and churches)
Awareness of history
Sense of peace
Social bonds in local communities
Christians are generally happier
Christians are less scared of death
The emphasis on loving your neighbor and taking care of others
The emphasis on forgiveness
It reminded me that our lives speak to people in ways we can’t often see, and the historical record of Christianity is mostly positive.
Comparing the number of answers to Question 4 “What is attractive about Christianity” (above) to the answers to Question 5 “What are your objections to Christianity?” (below), there were far less objections than I would have expected.
Praying to God before war
Fundamental Christianity, but the writer wrote “I don’t know the Bible well”
Elevation of men over women
Elevation of Christianity over other religions
Literal translation of the Bible in the Old Testament, especially creation
I encouraged my husband to send the same e-mail to his non-believing Japanese friends. He was a little hesitant, but translated the questions and sent an e-mail to five people: Men and women, ranging in age from 30 to 70. Although it was a more direct approach than is comfortable among Japanese, the idea of having an assignment is something that everyone understands.
Four out of five people answered him. Only one person declined, saying that the information was too private too discuss. Needless to say this refusal was a little hard to take and Koji felt he might have offended his friend, but I’ll get to that later.
Again the answers to Question 4 outnumbered those in Question 5.
5. “What are your biggest objections to Christianity?”
Stories coming from King David’s line don’t really affect me. The kojiki talks about many myths that look like the Old Testament. I should really know more about the historicity of the Japanese spirit
Many people have lost their lives through religious wars like the Crusades and Ireland
Quite many people in the Meiji Period were Christians, and I am interested in how they lived within Christianity
4. “What do you find attractive or compelling about Christianity?”
I can obtain peace of mind when I hear Jesus’ teachings.
The Psalms are beautiful and I enjoy learning and studying the Bible
There is strength among believers, like Mother Theresa, to positively reach out to others.
Over 2,000 years and yet many different cultures and countries have kept this belief—Amazing!
The teachings of Christ have universal significance.
Christians try to help many people.
Christianity supports many people’s hearts.
You may wonder why there seems to be some knowledge of Christ’s teachings among this group of non-believing Japanese.
Two of the four that answered had been attending a monthly Bible study in our home for the last three years. They attended along with five of us who were believers. We were a group in our 50’s through 70’s, including a professor emeritus, small business CEO, school administrator, medical doctor, and those of us in full time ministry.
In three years, Koji and I had no clear idea of where the three non-believers stood in their faith. By the end of 2019, we were wondering if the group should even continue considering that the members had to come to downtown Osaka, once a month, from as far away as Kobe, Tokyo and Nagano.
The answers by two of the members to “Do you think it is possible to know God?” were mostly negative: “We can’t know that God exists,” and “I don’t think we can.” Add to that that, the third non-believer in our Bible study was the one who didn’t want to answer at all, due to privacy concerns. We were thinking that this three-year study was about to come to a discouraging end.
That is until our entire Bible Study members received a text message from the one person who had declined to answer the questionnaire. Something about reaching out to him in writing had spurred him to also put his thoughts in writing. He said:
This past year was again a hard year, however because of all of you I have some kind of sense that I have already been saved. That sense has penetrated a little bit into my heart. Merry Christmas and Happy New Year.
We were thankful that we had tried a completely new method of outreach. It encouraged us and made us more hopeful about the many ways that the Internet will allow us to engage our non-Christian friends.
I would give you this same assignment just the way Craig Ellis gave it to us: Contact your non-Christian friends and ask them these five questions. I think you will be surprised at what you learn.
About the Author
Marcia Esaki (BS Purdue; M.Ed TCNJ) co-authored six cookbooks for Simon & Schuster, and authored many newspaper and magazine articles prior to moving to Japan in 1993. While working alongside her pastor husband for 22 years, she was Health Educator and Health Office Manager at Nagoya International School for ten. In 2015, she and Koji moved to Osaka and cooperate with ministry at Mustard Seed Christian Church Osaka. They have two daughters and a grandchild.