CTCJは、Redeemer CTC(NY)から始まった「ペイ・イット・フォワード(PIF)」というシステムに支えられています。今回はこのPIFについてご紹介します。
CTCJのマーケティング・コミュニケーション部門役員を務めるティム・コックスにインタビューしました。
ーまず自己紹介をお願いします。ご出身はどちらですか? 今はニューヨークからリモートワークですが、CTCJで働くようになったきっかけを教えてください。
生まれはフロリダ州マイアミ郊外です。ビーチで有名な場所なのに、太陽の光を浴びるのは嫌いなんです。そんな子供時代を過ごしましたってことで、僕がどんな人がわかってもらえるかな(笑)。イエスに従うと決心したのは結構早くて、それからずっと「それって実際どういう意味だろう」と考えてきました。
前職は、ニューヨーク、Redeemer City to Cityでのオンライン支援システムの構築です。9年ほど働きました。その間、世界中の都市の教会を特集をすることになって、東京の教会のビデオ作成のために二回来日しました。それ以来、東京が大好きになって、少しでも力になりたいと思っていた矢先、CTCJからアメリカでのマーケティング&コミュニケーションを手伝ってほしいとの依頼があって、そのチャンスに飛びついたわけです。
ーそうなんですね。CTCJで使われている「ペイ・イット・フォワード(Pay it Forward)」とは何ですか?
CTCJでの主なPIFシステムは、日本インテンシブに参加した教会開拓者が、マッチングされたコーチからコーチングを受けつつ利用できる助成金のシステムです。そうやって支援された一つの教会が成長するにつれ、今度は次の新しい教会開拓を支援する側になり、支援の連鎖が生まれます。
PIFのビジョンの根底にあるのは、私たちが所有するものは何一つ、本当は私たちのものではない、という考えです。つまり、全て神から与えられていて、私たちはそれを管理する者でしかない。与えるという行為は、神が惜しみなく私たちに与えてくれたもののが溢れ出し、そこから生まれるものなんです。
ーなるほど、「Pay it forward 」を日本語に訳すと 「恩送り」と言ったりしますから、納得です。ティムさんは、個人的に「ペイ・フォワード」した、あるいは「ペイ・フォワード」された経験はありますか?
ある時、有名なアウトドアスポーツブランドが主催する、障がい者のための募金活動にボランティアとして参加したんですね。店長がボランティア全員に無料でそのブランドの商品を配ってくれて、僕は新品のダッフルバッグをもらいました。
うれしくて興奮しながら帰りに地下鉄の駅に降りたら、階段に座ってリュックを直している人がいました。その人、時々この駅で寝ていたのを知っていたから、神さまにこのダッフルバッグを彼にあげるようにと言われたのを感じたんですよねえ。で、僕はそのまま彼の前を素通りしました(苦笑)。アパートまで帰ってダッフルバッグを使おうと開いてみて、観念したんです。神様に声を出して言いました、「わかりましたよ! 彼がまだ駅にいたら、これあげますよ」ってね。
駅に引き返したら、その人はまだバックパックを直していたもんだから、僕はしぶしぶダッフルバッグをあげました。いやあ、困っている人に親切にすることが、こんなにも難しいことだったなんて、、、、次にその人に会ったとき、彼はまだ自分で修理したリュックを持ってて、あのダッフルバッグはありませんでした。もしかしたら、他の人にあげたのかも(泣)。
ー確かに、PIFって実行するとなると、なかなか難しそう。ティムさんの心の叫びをもうちょっと聞いてみたいところですが、次の質問を、、、ティムさんは、一昨年クリスマス献金キャンペーンIGTV(https://www.instagram.com/tv/CI1w-qyjFvm/)でも、見事なMCぶりでしたね。こういう働きに関わるようになったきっかけを教えてください。
はいはい、、、あれは、すごく楽しかったなあ。トリニティ・グレース・チャーチ・パーク・スロープは、僕も設立に関わった開拓12年目の教会です。ああいう「おバカ」になれるチャンスがあったら僕は絶対に逃しませんよ(笑)。教会のクリスマス献金はブルックリンの様々なミニストリーに寄付されるので、僕としてもうれしい限りです。
City to City Europeでは、クラクフ(ポーランド)で開催された会議でバラエティーショーの司会をしましたし、最近ではブルックリンでモジュラーシンセサイザーのショーをしました。こういう催しをするときは、いつも来てくれた人が、「楽しかった」、「愛されている」という2つを感じて帰ってもらいたいと思っています。
ーいいですねえ、ティムさんが教会で担当しているユースグループの子たちも楽しいでしょうね。こういったミニストリーで、難しかったこと、逆にうれしかったこと、それぞれ教えてください。
そうですね、僕はやっぱり目標として数字を重視する傾向があるので、失敗したように感じることもあって、そういう時には葛藤が多いです。
でも、学生たちと信仰について話していると、励まされることがとても多いですよ。あ、あと最近、旧約聖書入門のクラスでAを取りました! (ガッツポーズ)
ーご自身のセルフケアはどのようにしていますか?
物事がうまくいかないときは、ランニングや登山をしたり、頭をすっきりさせて、いろいろなことを祈ります。自分へのご褒美は、MOMAやFotografiskaのような美術館に行くことです。
ーコロナ禍で仕事や家庭生活はどのように変化しましたか? また、それにどのように対処していますか?
最初のロックダウンから4ヵ月後に失業して、それ以来、複数の仕事を掛け持ちしています。基本的にそれまでの9時から5時という定職がなくなり、今は24時間365日仕事をしているような感じです。だから常に働いているという感覚をもたないように、友人や家族と過ごす時間を楽しめるような習慣を作ろうと今でも努力しているところです。
ー座右の銘は何ですか?
この3年間、詩編130編がずっと僕の心に寄り添ってくれました。「私は主を待ち望む」これが今の僕のモットーです。
ーCTCJの「Pay Forward」に関して、今後期待することは何ですか?
例えば最近のケースでも見られるように、日本語の記事を他の言語に翻訳して世界の教会に役立てる、というのも一つのPIFだと思っています。また、日本の教会が国内の教会だけでなく、世界中の教会に資金を提供するほどに豊かに祝福され、それが溢れ出るようになったらいいですよね。ニューヨークからも祈っています!
Tim Cox