2019年に私と夫が教会開拓を始めた時、それはまるで大きな波にのみ込まれたような出来事でした。
「神様、本当に私たちでいいのですか? 本当に大丈夫ですか?」
「私はいったい何をすれば良いのですか?」
私の内側から気泡の如く湧き上がってくる思いを吐き出す余裕もないままに、私たちは走り出しました。
それまで私たち夫婦は長年にわたり信徒として教会生活を送って来ました。でもその立ち位置が急に変わったことによって、見える風景が全く変わってしまいました。その新しい風景は、私に自分の経験不足や無力感をたっぷりと味わわせました。しかし長年のクリスチャンとしてのプライドが私の心を縛り、そのような不安を隠しつつ、良い指導者にならなければともがいていました。
そんなある日、夫が「City to Cityインテンシブ」に参加すると私に話しました。これは後日談になりますが、参加するまでにいくつもの困難があり、“これは御心でないのかな?”と夫婦で祈ったこともありました。それに実際のところ、このインテンシブなるものにそれほど期待もしていませんでした。しかし神様は最終的にこの扉を開いてくださいました。
2022年9月京都で開催されたインテンシブは私たちにとって第2の大きな波になりました。というのも、ここでの学びは実践的且つ参加者の心に深く迫るものだったからです。
「あなたは神の前に何者なのか?」
「あなたの心を本当に支配しているものは何か?」
この問いを突き付けられている参加者たちは、曲りなりにも何年も宣教の働きに関わってきた者たちです。それぞれのトレーナー(講師)は謙遜で多くの失敗から学んでおられました。そんな彼らが教えるモジュール(講義)を通して、様々な角度からの学びと発見があり、日々私のクリスチャンとしての心の有り様が変えられていくのを感じました。
「福音を適用する」
「福音の文脈化」
「福音による刷新」
などなど、これだけを聞くと腰が引けてしまいそうですが、City to Cityが伝えようとしていることがわかると、これは日本中の牧師やリーダーたちが実践すべきことだと思いました。
「あなたの口を大きく開けよ。わたしがそれを満たそう」と主がおっしゃった通り、私が口を大きく開けてこの恵みを頂けたことは、ただ神様のあわれみ以外の何ものでもありません。
神様は私たち一人一人を愛しておられるように、日本の多くの教会を愛しておられ、「あなたがたは力を受けなさい」と強く願っておられるのだと思います。「福音」の中で迷子になっていた私の道しるべの役割を果たしてくれたのがこのインテンシブでした。
今回得た多くの学びを実践していく中で、私たち夫婦はきっと失敗もたくさんすると思います。あるセッションで講師がこう尋ねました。
「皆さん、失敗は悪いことですか?」
勿論、私たちは誰もが失敗したくないし、指導者としていつも良い評価を得たいと思ってしまいます。しかし私は今回のどの学びからも「無防備」と「正直」が人々をイエス・キリストに近づけるステップになると知りました。
私たち夫婦はまだその緒に就いたばかりです。でも今までもそうだったようにこれからも神様が私たちを助け歩む道を開いてくださるでしょう!
CTCJスタッフの皆様にも感謝します。この働きが増々拡がっていくように願います。