2022年に佐賀バイブルチャーチとして教会開拓を始めた入江喜久雄、直美夫妻はこれが2回目の教会開拓。27年前の福岡での教会開拓との違いや失敗から学んだことについて寄稿してくださいました。
1 初期の働き人
1995年に始まった福岡開拓の牧師家族構成は、牧師が40歳で5人家族(妻と子ども:小3、幼稚園、1歳)、2022年に始まった佐賀は牧師が67歳(妻と義母91歳、現在東京在住の次男)4人と韓国人宣教師夫妻で始まりました。
2 信徒の交わりによる養育
福岡の初期5年間の教会の活動は、牧師家族住居の借家を活動拠点として、初めから日曜礼拝と水曜祈祷会、教会学校を中心に行なった様々な伝道と信徒養育でした。関係づくりは主として牧師の子ども関係の父兄で、福音を多くの方々に伝えましたが父兄の洗礼者はいませんでした。ただ子どもの友達が親の承認のもと多く受洗したのは恵みでした。また60代の税理士夫妻が開拓3年目で受洗し、その後、その男性が中心となり新会堂建設を進め、建設後も教会の会計係として牧師と共に教会形成に携わってくれました。その頃の伝道活動は、おもに地域の福音化を願った文書伝道と新会堂を用いての様々なイベントでした。苦難もありましたが多くの方々が福音を聞き救われました。また毎年夏と冬に九州の施設を借りて小学生から中学生までを対象にバイブルキャンプを行い、子どもたちの救いと成長の場となりました。また教会員の誘いで救われ教会形成に携わる方たちが生まれたことも感謝でした。ただ当時の宣教と教会形成を振り返ると、牧師家族と一部の教会員に奉仕が集中してしまい、他のメンバーの賜物を生かしきれなかったことや、牧師の目から未熟に見えた信徒に奉仕をゆだねきれなかったという反省点がありました。そういった点を踏まえ、佐賀開拓では少人数の時からそれぞれの賜物を発見し奉仕をゆだねていきたいと考えています。(エペソ4:11-12)
また福岡では、信徒をコミュニティ内での関係で育てて行くというより、牧師のリーダーシップのもとテキスト中心での信徒養育を進めました。1対1の養育は良かったのですが、教師も含めた複数信徒との交わりによる養育が欠けていたため、孤立した信徒を生み出してしまったと思います。この教訓から複数信徒が関わる人格的な交わりで育てていく大切さを教えられました。佐賀は牧師住居と教会が分離し、教会は8畳二つ分ぐらいの広さのテナントを拠点としています。開拓1年目で60代の男性が受洗し、他教会員の奥様と礼拝に参加していることが恵みです。2年目に入り、テキスト中心というより、小グループによる人格や信徒の賜物の養育を進めて行きたいと願っています。(使徒17:11-12)
3 個人伝道
佐賀は福岡と違ってゆるやかな時間と人間関係がある地方都市です。そのため関係づくりに力を入れつつ、文書、イベントを通して伝道を進めています。福岡では相手の話を聞きつつテキストを使用し、聖書、創造、神、罪、キリスト、救い、教会の順番を語り、救いに導くというプロセスでした。ただ個人的な事柄、相手の言葉に深く耳を傾けつつも、こちらからの教えを一方的に伝え過ぎてしまったという教訓を踏まえ、佐賀では関係づくりに力を入れ福音の文脈化を進めて行きたいと思っています。
4 働き人の不足
佐賀は教師がまもなく70歳になろうとしています。多くの収穫があり、「この町には、わたしの民がたくさんいる」(使徒18:10)にもかかわらず働き人が足りません。教会近くには大学医学部と附属病院、医療関係の会社が点在し、そこで働いている方々と医学生、他大学生が住んでいます。佐賀バイブルチャーチでは青年伝道や、英会話、さまざまな楽器を用いた音楽といった賜物をもった人たちが世界各地から集められるよう強く求め、祈っているところです。ぜひ佐賀に来て一緒に福音を伝えましょう。(マルコ16:15-16)