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子どもができる前から、私たち夫婦は聖書の教えの通りに「主の教育と訓戒によって」子どもたちを育てようと決めていました(エペソ6:4)。神様の言葉に従い、家にいるときも外でも、昼でも夜でも、熱心に子どもたちに神様の命じることばを教えたいと思っていました(申命記6:7)。けれども実際に初めの子どもが生まれ、2人、3人と増えていく中で、神様への愛を日々の家族生活のリズムに組み込むことが難しくなっていきました。
その原因の一つとなったのは、子どもたちに神様のことを伝えるために具体的にどうしたらいいのかがわからなかったことです。多くの家庭と同じように、子どもたちに「正しい」スポーツチームを応援するように教えるのは難しくありませんでした。可愛い子ども用のユニフォームを着せ、試合に一緒に行き、シーズンを通して応援すれば自然とファンになります。けれども私たちが最大の情熱を持っているイエス・キリストのことはどのように伝えていけばいいのでしょう? 厳しさや律法主義ではなく、恵みによる福音を中心とした信仰のリズムを、どのようにしたら家族の中で築き上げていけるのでしょう?
今まで同じような疑問を抱えた多くの子育て中のクリスチャンに出会いました。その中には自分自身はクリスチャンの家庭で育っていない、家族で初めてのクリスチャンだという方も多くおられます。またクリスチャンの家庭で育った方でも、クリスチャンの家族がどれほど素晴らしいものになりうるのか上手に思い描けないという方もおられます。妻と私も家族としての日々の生活の中に信仰を組みこむ方法をいろいろと試してきました。中には失敗したものもあれば、私たちの家族にとってうまくいったものもあります。ここでは家族としての日々の生活をイエスキリストの良い知らせを中心としたものにするための具体的なアイデアを3つ紹介したいと思います。
1. 一緒に聖書を読む
毎日声を出して聖書を読む時間を家族で持つようにしています。普段は妻か私が聖書を読みますが、時々長男が読むこともあります。私の家族は朝ご飯の時にこの時間を持っています。ご飯を食べている時の方が、子どもたちがしっかりと聞いてくれるからです。けれども、家族によってうまくいく時間がそれぞれあると思います。大切なのはそれを習慣にすることです。習慣になることによって、私が急いで仕事に行こうとして聖書を読む時間を忘れていると、子どもの1人が「まだ聖書読んでないよ!」と教えてくれます。
私の家族は聖書を毎日少しずつ読み進めています。福音書や使徒から1日1段落ほど読み、何週間もかけて少しずつ読んでいます。読んでいる途中で時々止まって、子どもたちに何が起きているのか理解できるように説明する時間も設けています。けれど礼拝説教をするわけではありません。子どもたちに自然に思いつく、子供らしく単純でそれでいて素晴らしい質問をしてもらって、それに答えるようにして説明します。時にはその質問を通して、自分で読んでいただけでは気がつかなかった聖書の理解につながることもあります。自分がイライラしないように、あまり子どもたちの集中力が続くことを期待しないようにしています。お代わりのパンをあげたり、トイレにつれていったりするので、毎分ごとに、時には単語ごとに止まらなければいけないこともよくあります。それでも大丈夫です!思い通りにいかないことを楽しむことは可能です。イエス様が教えている時に子どもが動き回っていても、イエス様なら叱るとは思えません。
年上の子どもがいる場合は、順番でその子にも聖書を読んでもらい、代わりに他の子どもには次に読む聖書の本を選んでもらうのもいいかもしれません。また壁にポスターを作って、家族で聖書から発見したことを書いていってもいいかもしれません。私の子どもたちはまだ小さいので、夜に子ども聖書を読むようにしています。特に「ジーザス・バイブルストーリー」がおすすめです。けれども子ども聖書だけでは十分でありません。実際の聖書を一緒に読むようにしましょう。
2. 一緒に祈る
家族としていつも食事の前と寝る前に一緒に祈ることを習慣にしています。その中で、よく同じような言葉を使って祈っていることに気がつきました。なので、同じような言葉で祈るならばもっとしっかりとどんな言葉を使うのかを考えようと思いました。そこで聖書の言葉や表現を使って、神様に日々の必要を願いつつ神様の真理を思い出すことができる祈りを準備することにしました。初めは、書いた祈りを一緒に見て、読みながら祈りました。けれどもすぐに暗記しました。もちろん最近起きたことなどを自分の言葉で自由に祈ることもしますし、子どもたちにもそうするようにと勧めています。けれどもほとんどの場合には聖書に基づいて書いたお祈りを喜びながらしています。夜ご飯に誰かを招待したようなときも、子どもたちは「せっかく友達が来てくれたし、家族のお祈りをしようよ!」とお願いしてくれます。私の家族が使っているお祈りを紹介します。
朝:
私たちの父よ
今日はあなたが設けられた日で、私たちは今日を楽しみ喜びます。
毎日あなたをほめたたえ、あなたの御名を限りなく賛美します。
朝明けには喜びの叫びがあり、あわれみは朝ごとに新しく、あなたの真実は偉大です。
今日の日ごとの糧を与えてくださってありがとうございます。
今日もあなたのみことばが私たちの足のともしび、私たちの道の光となりますように。
私たちの口のことばと心の思いとが御前に受け入れられますように。
主よ、私たちの岩、私たちの贖い主よ。
主はあなたを守る方。
主はあなたの右手をおおう陰。
主はすべてのわざわいからあなたを守り、あなたのたましいを守られる。
主はあなたを行くにも帰るにも今よりとこしえまでも守られる。
イエスの名前によって祈ります。アーメン。
夕方:
父よ
私たちの神 王よ、あなたをあがめます。
あなたは地から食物を生じさせてくださり、ぶどう酒を人の心を喜ばせるために与えてくださいます。
天からのまことのパンを与えて、私たちの魂が飢えることも、渇くこともないようにしてくれました。
主は情け深く
あわれみ深く
怒るのに遅く
恵みに富んでおられます。
主はすべてのものにいつくしみ深く
そのあわれみは
造られたすべてのものの上にあります。
これからの一緒に食べるときに、互いに愛し合い、仕え合い、励まし合い、そしてあなたがキリストにおいて私たちを赦してくださったように互いに赦し合えますように。
あなたに感謝し、あなたの栄えに満ちた御名をほめたたえます。
イエスの名前によって祈ります。アーメン。
夜:
父よ
あなたをあがめます。とこしえからとこしえまであなたは神です。
今日もあなたに感謝します。幸せなときも辛いときも、あなたは真実で、常にともにいてくださいました。
父よ。私の子どもたちをお赦しください。彼らは自分が何をしているのか分かっていないのです。
親の私もお赦しください。イエス様を感謝します。
あなたは私たちの良い羊飼い。
私は乏しいことがありません。
あなたは私を緑の牧場に伏させ
いこいのみぎわに伴われます。
あなたは私のたましいを生き返らせます。
平安のうちに私たちは身を横たえ
すぐ眠りにつきます。
主よ
ただあなただけが
安らかに
私を住まわせて
くださいます。
あなたは
まどろむこともなく
眠ることもない。
主があなたを祝福し、
あなたを守られますように。
主が御顔をあなたに照らし、
あなたを恵まれますように。
主が御顔をあなたに向け、
あなたに平安を与えられますように。
イエスの名前によって祈ります。アーメン。
3. カテキズム(教理問答)
私はクリスチャンの家庭で育ちました。けれどもカテキズムを家族で使ったことはありませんでした。ですから大学に行くまで、カテキズムが何かということすら知りませんでした。初めに妻が、子どもたちに聖書の言葉とニューシティーカテキズムの問答とを覚えられるように教えはじめました。その時に、この神様についての大切な真理を子どもたちがあまりにもすぐに暗記するので、とても驚きました。しかも毎日の会話の中で関係のある話題が出ると、子どもたちがカテキズムの答えを繰り返すようになっていきました。
ニューシティーカテキズムの著者の1人であるティモシーケラーがこのように書いています。「カテキズムを学ぶことはそれほどに、真理を心の深みまで浸透させ、理解力がつく年齢から、私たちのすべての思いが聖書に根差すよう整えさせるからです。」これはまったくその通りで、私の家でもその通りになっています。私の子どもたちは今でも素晴らしく、時にはびっくりするような神学的な質問を聞いてきます(例えば「パパ、なんで…は…なの?」みたいな感じです)。けれども今ではカテキズムによって自分たちのほとんどの質問に対する聖書的な答えを暗記しています。
朝ご飯の間に聖書を読んだ後、子どもたちそれぞれにもう知っているはずのカテキズムの問いを復習として聞きます。それに答えることによって子どもたちには自信がつき、楽しい時間になっています。子どもたちは自分が知っていることを披露するのが大好きです。その後、新しいカテキズムの問答を1〜2週間かけて暗記します。子どもたちは私にも覚えているか聞いてきますが、子どもたちの方が早く、より正確に暗記できるので、いつもへりくだらされます。
恵み
それぞれの家族が自分のリズム、環境、スケジュールにあったやり方をすることが大切です。最終的に1番大切なのは神様の恵みを忘れないことです。紹介した方法はすべて律法主義的なものではなく、福音に基づいた恵みにつながるためのものです。私たちにもカテキズムをやる時間がないこともあります。誰が祈るのかで喧嘩になることもあります。聖書に誰も集中してないような朝もあります。そういう時には一緒に食事をすることで家族になるわけではないように、こういう行動によって神様の子どもになるわけではないことを話して忘れないようにします。神様は私たちが何かをするからではなく、恵みによって私たちを神様の子どもとしてくれました。だから私たちも神様の恵みを忘れずに、互いに恵み深くあることができます。毎日の始まりと終わりに、何があったとしても、私たちは神様に愛されていて、神様の家族に属していることを思い出しましょう。
著者
フィリップ・セス
京都マスタードシードクリスチャン教会の牧師。セスと妻メーガンは2010年から日本に在住。名古屋の後、6年間大阪に住み2017年に京都へ引っ越してきました。アメリカ、カンザス州出身。2009年にOZARK CHRISTIAN COLLEGE(キリスト教大学)を卒業。子どもは3人います。
Sharing Good News with your Children
Before our kids were born, my wife and I committed ourselves to the Bible’s instructions to raise our kids in the“discipline and instruction of the Lord” (Ephesians 6:4). We wanted to obey God’s word by teaching his commands diligently to our children, talking of them at home and when we are out, morning and night (Deuteronomy 6:7). But after our first child was born, and later our second and third children, we struggled to find sustainable and effective ways to incorporate our love for God into the daily rhythms of our family.
We were hindered, in part, by a lack of seeing what this could look like practically. Like most people, we knew how to teach our kids to cheer for the “right” sports team—you dress them in a cute baby jersey, you take them to a game, you follow the season together, just like our parents did with us! But what about how to pass along our greatest passion: Jesus Christ? How do we build family rhythms of faith that are centered on the gospel of grace, not rigid or legalistic?
Many Christian parents I have meet also have similar questions. They themselves often did not grow up in Christian families but are the first believers in the history of their family. Even if they did grow up in a Christian home, they still might not have a good vision of what a Christian family can be. My wife and I have experimented with ways to incorporate faith in our daily family rhythms. We have had both failures and found some practices that work well for our family. I want to offer three practical ideas of ways to center daily family rhythms around the good news of Jesus Christ.
1. Reading the Bible Together
Each day we read the Bible together out loud as a family. Usually I or my wife will read, or occasionally our oldest son. We have made it our practice to read at breakfast. This works for us because everyone seems to listen best when they are eating, but any time of the day could work. The important point is to create a habit. Then if I’m rushing to get out the door for work and we haven’t read yet, one of my kids will say, “Hey, we haven’t read the Bible yet!”
We read just a little bit—one paragraph from the Gospels or Acts, working our way through books little by little over the weeks. As we read I pause to explain a little so my kids understand what is happening in the story. But I don’t preach a sermon! I let them lead the explanation with the questions that they naturally have—their simple, wonderful and childlike questions! Sometimes their questions helps me gain new insights from God’s Word that I missed in my own reading!
I try to keep my expectations for their attentiveness low so that I do not become frustrated. Often we have to pause after every sentence (or after every word) because someone needs more toast or has to use the bathroom. But that’s ok! It’s possible to enjoy the chaos. I can’t imagine Jesus scolding children for becoming restless during his teaching!
If you have older kids consider taking turns reading, let someone else pick the next book in the Bible to read, or make a poster on the wall that records thoughts and discoveries you make in God’s word as a family. Because our kids are young, we also read through a children’s Bible with them at night. I recommend the Jesus Storybook Bible. But a kids Bible is not enough; read the actual Bible together.
2. Pray Together
As a family we have always had a habit of praying together before meals and at bedtime. I observed that the words we use in routine prayers tend to be the same each day. I felt that if I am going to use similar
words why not think through the words I’m using. I wanted to write prayers that utilize Biblical words and phrases to express daily requests to God and remind us of his truth.
At first I had to look at the written prayer each time we prayed. But over we memorized these prayers. We still pray freely in our own words, pray about current events in our lives and encourage our kids to pray freely. But most days we find ourselves enjoying these Biblically composed prayers. When a friend comes over for dinner my kids are even begging us, “Pray the family prayer so our friend can hear it!” Here are examples of what we use:
Morning:
Our Father,
This is the day that You have made, we will rejoice and be glad in it. (Ps 118:24)
Everyday we will bless you and praise your name forever and ever. (Ps 145:2)
Your joy comes with the morning (Ps 30:5); your mercies are new everyday; great is your faithfulness. (Lam 3:23)
Thank you for giving us today our daily bread. (My 6:11)
Today, may Your Word be a lamp to our feet and a light to our path. (Ps 119:105)
May the words of our mouths and the meditations of our hearts be pleasing to you, O LORD our Rock and Redeemer. (Ps 19:14)
YHWH is your keeper
YHWH is your shade on your right hand
YHWH will keep you from all evil, He will keep your life
YHWH will keep your going out and your coming in from this time forth and forever more. (Ps 121:5-8)
In Jesus’ name, Amen.
Evening:
Father,
We bless you, O Lord, our God and King (Ps 145:1)
You bring forth bread from the earth and wine to gladden our hearts (Ps 104:14)
You gave us the True Bread from Heaven, Jesus Christ, that our souls may never hunger or thirst (John 6:32, 35)
You are gracious and merciful, slow to anger and abounding in steadfast love
You are good to all and your mercy is over all that you have made (Ps 145:8-9)
As we eat together now, may we love one another, serve one another, build up one another, and forgive one another as you in Christ have forgiven us. (Jn 13:34, 1 Pt 4:10, Heb10:25,
We thank you, our God, and praise your glorious name. (1 Chron 29:13)
In Jesus’ name, Amen.
Night:
Father,
We bless you, from everlasting to everlasting you are God (Ps 90:2)
Thank you for the gift of today: in the happy and hard times you have been faithful; you are always with us Father, forgive my children, even as they did not what they knew (Lk 23:34)
Father, forgive us as parents. Thank you for Jesus!
You are our Good Shepherd, we shall not want (Jn 10 & Ps 23)
You make us lie down in green pastures
You lead us beside quiet waters
You restore our soul
In peace we will both lie down and sleep for you alone, O Lord, make us dwell in safety—you who keep us will neither slumber nor sleep (Ps 4:8 & Ps 121:4)
YHWH bless you and keep youYHWH make his face to shine upon you and be gracious to you YHWH lift up his face upon you and give you peace (Num 6:24-26) In Jesus’ name, Amen.
3. Catechism
I grew up in a Christian family but our family never practiced catechism. I don’t think I even knew what a catechism was until college. First my wife started teaching our kids to memorize the Bible and questions from the New City Catechism. I was amazed at how quickly our kids memorized these important truths about God, and at how they could repeat the answers when such topics came up in everyday conversation.
Timothy Keller, one of the developers of the New City Catechism wrote: “The practice of catechesis takes the truth deep into our hearts, so we find ourselves thinking in biblical categories as soon as we can reason.” That is absolutely true and I’ve seen it first hand in my home. My kids still ask amazing and sometimes bizarre theology questions (such as “Daddy, why.......”). But now they have memorized Biblical answers to most of their questions already.
After reading the Bible at breakfast we ask each kid a few review questions that we know they will know the answers to. This helps them build confidence and enjoy it. Kids love to show you how smart they are! Then we work on a new questions for a week or two, until most people have it memorized. Our kids often insist on quizzing us and I am usually humbled because they can memorize much faster and more accurately than I can!
Grace
Each family needs to find rhythms that fit your family culture and schedule. But ultimately, we need to remember God’s grace. Each of these practices is an opportunity to practice and implement gospel-based grace not legalism. Some days we don’t have time to do catechism. Sometimes an argument breaks out over who gets to pray. Some mornings everyone has a hard time paying attention to the Bible reading. But in these times we talk about and remember how these actions are no more what makes us children of God than eating together is what makes us a family. God has adopted us as his children by grace not because we practice certain disciplines. So we have grace with one another and we remember God’s grace for us. We remember that at the beginning and the end of each day, no matter what happens, we are loved by God and we belong to his family.
About the Author
Seth Philip
Seth serves as the pastor of Mustard Seed Christian Church (established 2017) in Kyoto, Japan. Seth and his wife Megan have lived in Japan since 2010, first in Nagoya, then for 6 years in Osaka, and now in Kyoto. Seth is from Kansas and graduated from Ozark Christian College. Seth and Megan have three children.