本来私は、こういった場に何かを書く人間ではないと思っています。それは批判されたり他人と比較されたりするのが好きではないからですが、そういう思いは全て、自分の存在意義や承認欲求など私の心の偶像の問題を表しているとも言えます。ですからこの記事がCTCJの目的とビジョンの助けとなり、日本における御国と福音の影響力がより大きくなることを祈りつつ今回筆を取ることにしました。
さて今回はこのブログ記事のために、CTC(シティ・トゥ・シティ)でカタリストの草分けとして経験したことやその意味について分かち合うよう依頼されました。
簡単に言えばV.C.F.という頭文字で説明するのが一番分かりやすいと思います。一般的にベンチャー・キャピタル・ファンドとして知られている略語ですが、本来の、有望な新興ビジネスや企業に個人が資金を投資する手段のビジネスという意味ではありません。もっと大きく、もっと挑戦的で、もっと有望なもの、つまり世界の中心街に福音を蒔き、育て、根付かせることへの「投資」という意味です。
ですから私にとっては、Vision(ビジョン)、Connection(つながり)、Facilitation(促進)の頭文字をとったV.C.F.という3つの重要な領域に注力する働きでした。こうして夢と祈り、そして多くの信仰と働きから、2005年から2010年まで、ニューヨークでRedeemer Church Planting Center (RCPC)と呼ばれた組織は、その後city to cityとして今日見られるような世界的規模の組織に成長しました。
ビジョンとは
CTCでは三点に注目します。一つめは都市化とグローバル化です。それは何よりもまず、福音の中心性に焦点を当てるということでした。 福音はすべてを変える唯一の力だからです。そして福音は、真の王国の視点、協力を導くことができる唯一の真理です。またティム・ケラーが言うように、「都市には1平方メートルあたり、世界のどこよりも神のイメージがある」からです。世界の人口の半分以上、特に若者は世界の都市部に住んでおり、今も増え続けています。都市は、使徒パウロの時代と同じように、ローマ街道によって結ばれ、都市化とグローバリゼーションが促され、世界で最も戦略的な宣教地のひとつとなっているのです! そしてこの現象から都市の中心やその地域に影響を及ぼすために福音のムーブメントに焦点を当てる必要があるのです。
コネクションとは
二つめは「神が働いておられる場所、働いておられるように見える場所」(限られた人間的な視点から見た神の働きの証拠、しかし信仰によって『見る』こと)を発見し、そこに加わることに注力することです。私はRCPCでの最初の実地研修で、初代リーダーの一人であるAさんに同行してスペインのマドリードとバルセロナを訪れたことがあります。そこで神が何をしておられるか、私たちが関わることができるかどうか、またどのように関われるのかを判断しました。彼はすでにその街にいるさまざまなクリスチャン・リーダーや組織と重要なつながりを築くために、ただ謙虚に耳を傾け、的確で鋭い質問を投げかけながら相手から学びました。それが福音とその街に対する同じような志をもつリーダーたちとさらに深い関係や協力へとつながっていくのを、私は目の当たりにし、まさに身をもって学ばされたのです。
ファシリテーション(促進)とは
三つめは、教会開拓、コーチング、信仰と仕事、信仰と芸術などのネットワーキング、トレーニング、リソーシングを通して、神の王国を目指す協働と都市における福音ムーブメントの繁栄に私たちがどのように貢献できるか、どのような役割を果たせるか、私たちが組織として最も得意とすることに注目します。そしてそのような福音ムーブメントの始まりは、V.C.F.の方法のいくつかを通して実現することがあるのです。
例えば、関西(神戸、大阪、京都)では、ある教会と協力し、この地域に教会開拓ネットワークが形成されることを願い、そこを会場に教会開拓インキュベーター・トレーニングというものを月1回、2年間行いました。実際にはその教会以外に教会開拓ネットワークは生まれませんでしたが、福音を中心とした教会開拓へのビジョンと願いがより大きくなり、15人ほどの参加者のうち2人がすぐに大阪と京都に教会を開拓するために歩み出しました。両教会は現在設立された教会として確実に成長しています。
また沖縄では現在、約12の教会が参加する教会開拓ネットワークが正式に発足し、毎月の集まりで相互支援、祈り、トレーニングが行われています。その中のある宣教師が一つの教会を開拓し、近い将来、現在そこでインターンをしている日本人牧師がもう一つの教会を開拓する予定です。これらはすべて、2017年に沖縄の大きな米軍コミュニティーのための教会を開拓したもう一人の宣教師のコーチングを依頼されたところから始まりました。
このコーチング関係を通して、彼は日本の教会が福音を広め、沖縄にもっと福音を中心とした教会を設立するのを助けたいという願いと祈りを公にしました。その結果、ある日本人牧師との不思議な出会いがあり、教会開拓と教会活性化についてもっと学びたいと考えている沖縄中の牧師たちを集めるために奔走し、教会開拓ネットワーク、ゴスペル・トゥー・オキナワ(GTO)が約12人の牧師とその妻たちと共に2019年に誕生し、COVID-19の混乱にもかかわらず、今日まで毎月の会合が続けられています。
CTCの教会開拓を促進させる働きをしてきた私の経験から言っても、私たちはマルコ4:30-32にある福音の御国と力についての真理を証しできます。それは豊かな祝福です。
またイエスは言われた。「神の国は、どのようにたとえたらよいでしょうか。どんなたとえで説明できるでしょうか。
それはからし種のようなものです。地に蒔かれるときは、地の上のどんな種よりも小さいのですが、蒔かれると、生長してどんな野菜よりも大きくなり、大きな枝を張って、その陰に空の鳥が巣を作れるほどになります。」