「炎のランナー」という映画は、1924年パリオリンピック陸上選手たちの思いを描き出した大作でした。名場面は、男子100メートル走で金メダルを獲ることになるハロルド・アブラハム選手が100メートルの決勝前、コーチに「銃声が鳴ると、私には私の人生が価値あるものであったことを証明させるための孤独な10秒が与えられる」という告白をした場面です。競技大会に参加するスポーツ選手たちは、このような重圧と戦っていると思います。そこには、結果を残さない限り価値ある人間と見なされない、という思いがあることでしょう。