「具体的な働きについての質問なら数え切れないくらい挙げられる。危険なのは、それが『自分は教会開拓にふさわしいか?』という本来の問いを曖昧にすることだ。」私は会議室にいた。テーブルの周りにいたのは教会開拓者やコーチの面々だ。様々な知恵と見識、御霊の賜物に満ちて、長年それぞれの文化に聖書を伝えてきたベテランたちだ。私は敬意と驚きから、どんなことも聞き漏らすまいとしていた。同時に心のどこかで、こう思ってもいた。自分はこの世界にふさわしいのだろうかと。これは教会開拓をするなら誰しも経験するチャレンジだ。教会開拓者という職人のような世界で、最高の仕事を見せられる。本、ブログ、メンター、カンファレンス、セミナー、インテンシブと呼ばれるものすべて、もっといい働きを目指す者へのガイドだ。どれも素晴らしい一方で、同時に思わされるのは、自分がいつまでたってもこの世界にふさわしくないということだ。
教会開拓者にコーチングが大切なのはなぜか
「あれは最良の時代であり、最悪の時代だった。」有名なこの一節は、教会開拓についてよく表していると思う。すべてがうまくいっているように見える時もあれば、人生最悪の失敗をした気になる時もあるからだ。しかもそれが1日のうちに何回も繰り返されることがある。教会開拓にはまさにそういうところがある。新しい教会を始めるとあらゆる方向からチャレンジを受ける。だがそれを受け止める準備ができている教会開拓者はほとんどいない。神学校では素晴らしい神学教育を受けられるが、リーダーシップや経営管理についてより高度なトレーニングを受けることはほぼない。結果、準備不足の多くのリーダーが道を誤り、好機を逃すことがある。それでは、教会開拓者にはどんな準備が必要なのか? それは開拓者が障害を乗り越えていくプロセスの中で、助け伴走してくれる教会開拓の先輩、つまりコーチの存在である。